セクターローテーションの始まりか?

皆さんこんにちは!今回は現在、相場で起こっているセクターローテーションについて詳しく説明していきます。この記事を読むだけで、セクターローテーションとはどのようなものなのか、なぜセクターローテーションが起きているのかについて理解を深められるようになると思います。この記事を皆さんの投資に役立ていただくと幸いです。それでは、今回のトピックについて説明していきます。

セクターローテーションとは?

皆さんセクターローテーションという言葉を耳にしたことはありますか。投資を始めてある程度時間が経過した方は気にされている方もいるのではないかと思います。セクターローテーションとは、文字通り今まで上昇していたセクター(分野)が他のセクターに移り変わることを言います。

ここでセクターがどのような分野に分かれているのか具体的な事例を上げると、石油や石炭などを利用するエネルギー株や銀行や保険会社などの金融株、情報や通信などの発展を促進させるハイテク株など、市場には様々のセクターが存在します。

また、セクターは個別株の集まりと見ることができます。具体的には、ハイテク株はアップルやマイクロソフト、アドべ(ADBE)などの個別株が集まっています。基本的には、同一セクター内の個別株は相関係数が高く、同じ値動きをすることが多いです。

セクターの動きを見る方法について

では、セクターがどのように推移しているのか、確認するためのツールについて紹介したいと思います。個別株の推移を見たい時はその銘柄名を検索して価格を見ると思います。例えば、アマゾンの株価を見たい時はアマゾン(AZMN)と検索をかけることで、直近1週間や1年の株価を見ることができます。

では、ハイテク株全体がどのように推移しているのか確認したい時は、何を検索したらよいかというと、QQQ(ハイテク株の集まりで時価総額の大きいETF)と検索をかけるとハイテク株全体の推移を見ることができます。他には、エネルギー株全体を見たい場合はXLE、金融株全体を見たい時はXLFとセクターごとに時価総額が大きいETFを検索することで価格を確認することができます。

セクターローテーションの背景について

先ほどの説明でセクターごとの株価がどのように推移しているのか確認する方法を分かっていただけたと思います。それでは、本題のなぜセクターローテーションが起きているのかについて見ていきたいと思います。

下図にハイテク株のETFであるQQQのチャートを示します。こちらは直近半年の価格推移になるのですが、9月後半から10月前半にかけて、出来高を伴って下落していることが分かると思います。

一方で、次は下図にオールドエコノミー株の集まりであるNYダウのチャートを示します。 こちらも直近半年の価格推移になります。9月後半から10月にかけて、株価は下落していたのですが、10月に入って上昇していることが分かります。

このことから、今まで上昇してきたハイテク株に代わって今度は、金融株や観光株、エネルギー株などのバリュー銘柄に資金が流入し、株価が上昇していることが分かります。

では、なぜハイテク株に代わってNYダウに含まれているバリュー銘柄が上昇しつつあるのかについて述べていきたいと思います。それは、米国の長期金利の動きと関連しています。下図に米国の長期金利と逆相関の関係にある米国債10年の価格推移を示します。

下図の通り、8月に入ってから価格が下落し続けていることが分かると思います。これは、今後FRBがテーパリングを実行すること、またテーパリングの期間が市場予想と比べてとても短くなってしまっていることが背景にあると考えられます。これにより米国債の価格は下落し、長期金利が上昇してきました。

では、なぜ長期金利が上昇すると株式は下落しやすくなるのかについて述べていきたいと思います。株価は次式で表すことができます。

株価=EPS(1株当たりの利益)×PER(1株当たりの収益率)

ここでPERは長期金利と逆相関の関係にあるので、長期金利が上昇する程、PERが下落し株価が下がるという仕組みになっています。ここで、今まで上昇してきたセクターであるハイテク株は、PERが比較的高いグロース株をたくさん含んでいるため、長期金利の下落による株安の影響を受けやすくなっています。

一方で、NYダウに含まれるバリュー株はPERがさほど高くない銘柄が多いので、長期金利の上昇による影響を受けにくいため、NYダウがハイテク株をアウトパフォームしていることが分かります。

ここまでは、セクターローテーションとその背景について述べてきました。続いては、おすすめの銘柄について紹介したいと思います。

おすすめの銘柄について

では、先ほどのセクターローテーションを踏まえておすすめの銘柄を紹介したいと思います。今までは、観光株や銀行株などのバリュー銘柄を勧めてきたので、今度は違う視点で銘柄を紹介したいと思います。

今回、私がおすすめしたい銘柄はテスラになります。テスラは皆さんも一度も耳にしたことがあるのではないでしょうか。昨年、時価総額が10倍にもなった投資家の間でかなり注目を集めた銘柄です。今年に入ってあまりパフォーマンスはよくなかったのですが、最近になって良くなりつつあります。

下図にテスラの株価チャートを示します。これも同じく直近半年の価格推移になります。6月でボトムをつけると一方的に右肩上がりに上昇しているのが分かると思います。

では、なぜテスラをおすすめするのかというと、長期金利が上昇している局面で他のグロース銘柄は大きく下落したのにも関わらず、テスラはあまり影響を受けずに上昇トレンドを継続しているからです。

これを言い換えると、長期金利の上昇というマイナス材料があったのにも関わらず、相場はそれを織り込んで価格が上昇しているので、出来高こそ伴っていませんが、個人投資家の間で買い圧力が強くなっているのではないかと思います。

また、長期金利の上昇が一服したら、機関投資家も資金を投入する可能性が見込めるため、これからも上昇していく可能性があるのではないかと思い紹介しました。

まとめ

皆さんいかがだったでしょうか。今回はセクターローテーションとその背景について詳しく説明してきました。今後、長期金利の動きで資金の流れが変わることが予想されます。9月から10月に変わるこの期間が節目なのではないかと思うので、今後も資金の流れに着目していく必要があると思います。

また、今回はおすすめ銘柄としてテスラを紹介しました。私自身、今の局面ではグロース株を保有するのが怖くてあまり見ていないセクターだったのですが、同じセクター内で値動きが異なっていることに興味を持ち、今回取り上げさせていただきました。

長期投資では、様々なセクタに分散することがより良い投資に繋がると思うので、自分の予想とマーケットが逆に動くことを考えて、現在保有していない銘柄に着目してみるのもよいのではないかと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。それでは、また。

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