危険が迫っている?アメリカの債務上限問題について

皆さんこんにちは!今回は米国で迫っている債務上限問題について詳しく説明していきます。この記事を読むだけで、債務上限問題とはどのようなものなのか、債務上限問題に対して私たちができることは何かについて理解を深められるようになると思います。この記事を皆さんの投資に役立ていただくと幸いです。それでは、今回のトピックについて説明していきます。

債務上限問題とは?

債務上限問題がどのような問題なのか皆さん知っていますか。名前だけ聞くと、すごく危ない危機に発展しそうなイメージが湧きますよね。そこで、今回はアメリカで差し迫っている債務上限問題について、できるだけ分かりやすく解説しようと思い、この記事を書くことにしました。

投資家の方やそうでない方にとっても、有益な情報になると思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけるとありがたいです。

では、債務上限問題が浮き彫りになった発端について、まず話していきたいと思います。つい先日のことになるのですが、アメリカの財務長官であるイエレンさんが「連邦政府の上限問題を巡って、10月18日あたりにも政府の資金が枯渇してデフォルトの危機に陥り、それがアメリカの経済に大きな打撃をたらす」と発言したことが発端となります。

では、債務上限問題とはどのような問題なのか説明していきます。まず、債務上限とはアメリカの政府が国債発行などで借金できる債務残高の枠のことを指します。アメリカの政府はこの借金を利用することでインフラ投資などの経済対策を打ち出して、景気の下支えを行ってきました。

そして、この借金が債務残高の上限まで達すると、政府は議会の承認を得て上限をさらに引き上げて、借金を膨らませて経済対策を打ち出しています。これが毎年のように行われているのですが、今回議会の承認を得られずに国債を発行することができなければ、デフォルトに陥ってしまうのです。

このように債務上限問題は、危ない危機に発展する可能性のある問題であることを理解していただけたのではないかと思います。

では、この問題を今までどのように回避してきたのかについて解説していきたいと思います。

債務上限問題の回避策について

債務上限を引き上げるには、議会の承認が必要であることを先ほど述べさせていただいたのですが、どのくらいの割合の承認が必要になってくるかというと、下院で過半数、上院で60議席が必要になります。しかし、現在政権を握っている民主党は、下院で過半数を獲得していますが、上院では60議席に届いていません。

このままでは、議会の承認を得られずにデフォルトを回避できなくなってしまうので、民主党は財政調整措置という切り札を使うことができます。財政調整措置とは、迅速に法案を成立させるために、審議時間を20時間に引き下げるほか、上院の議席を60議席から51議席に引き下げて承認することができる措置になります。

しかし、この措置は民主党にとってとても優遇された措置となるので、年に1回しか使用できないという制限が設けられています。因みに今年の3月にも、民主党は財政調整措置を使ってしまってので2021年度は使用することができなくなってしまっています。

しかし、アメリカの会計年度は10月1日から翌年の9月末締めになっているため、2022年度の会計年度が始まる10月1日以降にもう一度、同じ措置をとることが可能になります。なので、民主党はこの措置を利用することでデフォルトのリスクを回避することができます。

ここまで、聞くとこの問題は解決できるので、胸を撫でおろすことができると思われる方もいらっしゃると思います。しかし、民主党はこの特別措置を債務上限問題に使いたくないと思っていることが真の問題になります。

民主党は法人税の引き上げなどの法案を成立させたいため、この措置を取って置きたいのが本音で、一方で共和党は、早くこの措置を利用させて民主党の思い通りの法案を可決させたくないという思惑が交錯しているので、議論がなかなか進まないのです。

もし、議論が進まずに10月18日を迎えたらどうなるのかというと、政府機関の一部が閉鎖に追い込まれます。過去にも同じようなことが起きており、1か月近く閉鎖していたこともありました。では、この期間の米国の株価はどうだったのかというと、2013年9月に政府機関が閉鎖した時は、アメリカの株式全体を表すS&P500指数は約プラス3%と上昇しました。

このようなことから、政府機関が閉鎖に陥っても投資家の心理は悪い方向に働いておらず、歴史的には株価の大暴落が起こっていなかったことから、この問題が株式市場に与える影響はさほど大きくないと言えます。

まとめ

皆さんいかがだったでしょうか。今回はアメリカで差し迫っている債務上限問題について解説してきました。この記事を読んで債務上限問題の真の問題は何か理解していただけたと思います。投資家の中には、この問題を懸念されている方もいらっしゃると思いますが、私自身はあまり懸念しておりません。

ただ、株式市場は不透明感を嫌う傾向にあるので、デフォルトになるかどうかはっきりしない状態では株価は下落しやすくなります。

しかし、先月9月には、株式市場が調整局面に入り割安になっていることを考えると、10月の上旬は株式を購入する絶好のタイミングかもしれません。歴史的にも9月は下落し、10月から年末にかけて上昇しやすい傾向にあります。

一方で、他の記事でも説明してきましたが、目先の長期金利の上昇が株式市場に与える影響は大きいと考えられるので、長期金利の動向を見ながら投資する機会をうかがった方がよいのではないかと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。それでは、また。

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