米国株5日連続下落!調整局面到来か?

皆さんこんにちは!今回は先週から下落が続く米国株市場の動向について詳しく説明していきます。この記事を読むだけで、米国株に対してどのような投資をしたらよいか具体的に分かるようになると思います。この記事を皆さんの投資に役立ていただくと幸いです。それでは、今回のトピックについて説明していきます。

現在、米国株が下落している背景について

9月に入って今まで順調に最高値を更新していた米国株市場に終わりが見えているのが、下のS&P500指数(アメリカの上場企業500社)のチャートから読み取れます。S&P500指数は現在、5日連続で下落しており、下落する連続日数は今年の最多を記録しています。なぜ下落9月に入って下落が始まったのか、というと大きく分けて2つの要因があると考えられます。

1つ目は、長期金利(米国債10年利回り)の動きにあると思います。それは、先月の雇用統計を受けて、非農業部門の雇用者数の結果が市場予想を下回ったことから、景気後退の懸念より本来は長期金利は下落する方向に向かうはずだったのですが、債券市場の投資家の中では、今回の雇用統計の結果は一時的なものとみており、FRB(米国中央銀行)が目標とする雇用の安定と物価の上昇は継続していると考えているため、米国債が売られ長期金利が上昇しています。また、このことからテーパリング(金融緩和の段階的な縮小)も年内(11月)あたりに発表されるという見方が強まっていると考えられます。

なぜ長期金利の上昇が株式にとって良くないのかというと、これは株式のバリュエーションであるPER(株価収益率)と長期金利の値動きがちょうど逆相関の関係にあるからです。株価は一般的には、以下のの式で算出することができます。

株価=PER(株価収益率)×EPS(1株あたりの当期純利益)

上記の式からPERが下落すると、株価もそれに合わせて下落するので長期金利が上昇しやすい局面では株式市場全体で株価が下がりやすくなります。この影響が一つ目に考えられると思います。

2つ目は、先週発生したアップルの下落が原因になっていると考えられます。米国市場全体を眺めた時、ハイテク大型株(グーグル、フェイスブック、アマゾン、アップル、マイクロソフト)の割合が大きな部分を占めています。そのため、大型のハイテク株で大きな下落が発生すると、それが発生点となり株式市場全体に影響を及ぼす可能性があることが考えられます。

今回の場合では、アップルが大きく下落しました。その要因とは、米国連邦地裁でアプリ市場の運営方法の変更が可決されたことにあります。

アップルには、携帯アプリの開発業者が購入者を同社のアプリ市場「アップルストア」外の課金システムに誘導するのを認めるよう命じられました。これにより、アップルは今までアップルストアの取引手数料で30%の収益を上げていたのですが、この収益が消滅することの恐れから株価は大きく値を下げました。下図にアップルの直近半年のチャートを示します。このチャートから6月にボトムをつけて大きく上昇してきましたが、今回の大幅な下落により今後、下落トレンド入りする可能性があります。

また、アップルは今まで上昇してきた分は下落する時の下がり幅は大きくなりやすいと考えられます。これが2つ目の要因として米国市場が下落している背景になります。

今までの米国株市場の動向

それでは、今までの米国市場は9月頃になるとどのような相場だったのでしょうか。下にS&P500指数の直近10年間のチャートを示します。チャートからは読み取りにくいのですが、毎年9月頃になると5~10%の調整局面がきてその後、冬にかけて上昇することが多いことが分かります。

このことから、今回も9月から10月初旬くらいにかけて5%から10%の調整局面が来ることが予想されます。

米国株への投資戦略

それでは、今後米国株が下落する局面に備えてどうすればよいのか、戦略を解説していきたいと思います。今回の相場では昨年からの金融緩和の影響を受けて例年以上に上昇していることが考えられます。そのため、短期的な投資は大きなリスクが伴うことが想定されるため、今回は長期投資での戦略を解説していきたいと思います。

長期投資では、9月~10月にかけて相場にお金を入れるのを待って、下落が終わったのを確認して投資するのがよいのではないかと思います。具体的には、下のチャートのように一度ボトムをつけた後、下値を切り上げていくことが確認できるようになった時が投資する絶好のタイミングではないかと思います。

私自身、長期投資を検討する際にはこのような買い方をしてリターンを得られることが多かったので参考になればと思います。

では、何に投資するのがよいかいうと、これからは市場でテーパリングの後、利上げが行われることが想定されているため、今まで好調だったハイテク株や半導体銘柄は株式のバリュエーションであるPERが上がりすぎている分リスクが大きいのではないかと思います。一方で今まで割安であったエネルギー株や観光株などは長期的にみても株式のバリュエーションは高くはないので、長期投資ではバリュー株を中心に検討することをおすすめします。

まとめ

皆さんいかがだったでしょうか。今回は米国株の現在の下落と今後の投資戦略について解説してきました。9月に入って急に米国株のパフォーマンスが悪くなったため、不安に思いながら投資されている方も多いのではないかと思います。

しかし、先ほども説明したように今回の調整局面での下落は5~10%程度の下落で10年、20年という長期的に見れば小さな下落に過ぎないので、今回の下落は株式の買い場になると思います。なので、最近の株価の値動きを見ると、目をそむけたくなる気持ちも分かりますが長期的にみて投資を行うのが今は一番よい戦略ではないかと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。投資の参考にしてもらえたら幸いです。

それでは、また。

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